こんにちは!ニナ(@_ninahaus_)🦆です。
PancakeSwapのエクスチェンジ(交換所)が一新されました!見た目が変わっただけでなく、新しい機能がいくつもあります。
ユーザーへの事前告知は無かったため、「いきなり変わったけど何これ???」という反応もたくさん見受けられました。申し訳ないです…。本記事で変更点を紹介します!
PancakeSwapはUniswap、SushiswapのForkです。
今回の変更もUniswapベースにパンケーキトッピングを足したものとなっているため、Uniswap、Sushiswapを既にご利用の方にとっては本記事はさして新しくない内容かと思われます。
住み分けは考えます。
Mediumは長い記事読みづらくないです?私だけ?
変更点①見た目
エクスチェンジの見た目が明らかに変わった事は皆さんお気づきかと思いますが、意外とどう変わったか?までは見ていないのでは…?ということで比較画像をどうぞ。
旧(V1) vs 新:デスクトップ☀
旧(V1) vs 新:デスクトップ🌛
右下のうさぎが言っている「Need help?」はPancakeSwapのドキュメントサイト内「Exchange」にリンクされています。現在のところ、ドキュメントはTantalusシェフがせっせと用意している英語版だけですが、順次日本語訳をご用意します。
旧(V1) vs 新:スマホ☀

旧(V1) vs 新:スマホ🌛

旧エクスチェンジではSwap、Liquidityの隣に「Bridge」がありましたが、新エクスチェンジでは左下に移動し「Convert ERC-20 to BEP-20」となっています。
デスクトップ・スマホ共に、旧エクスチェンジが可愛かったのに対し新エクスチェンジはなんだか爽やかスタイリッシュな感じになりました。
スワップ画面では、BSCのネイティブトークンであるBNBがデフォルトでセットされるようになり、微妙な余白調整もあって、全体的にすっきりした印象です。スマホだと特にその違いが顕著です。
さてここからは旧エクスチェンジをライトモード☀、新エクスチェンジをダークモード🌛で表示させてデスクトップPancakeSwapウェブサイト上で機能面での変更点を見ていきます。
新エクスチェンジはまだ翻訳対応していないため、すべて英語表示です。
(翻訳計画はあります!)
変更点②Swapのトークン管理が賢くなった
旧エクスチェンジに「管理」アイデアは無かった
旧エクスチェンジで「Select a currency」を選ぶと「Select a token」に遷移し、そこで「PancakeSwapデフォルトホワイトリスト」が表示されていました。このホワイトリストに載っているトークンは下記いずれかの条件を満たしたプロジェクトのものに限定されていました。
- 過去にPancakeSwapでIFOかシロッププールコラボを実施した
- PancakeSwapでの取引高が著しく大きい
上記以外は全て手動で追加しなければなりません。ユーザーは「Select a token」の記入欄にトークンアドレスを入力する必要がありました。
これは「追加」ではあるものの「管理」といった概念からは遠く、手動で追加したトークンが不要になったらリスト内から探して削除するというものでした。

新エクスチェンジでは「トークン管理」できる
新エクスチェンジでも「Select a currency」を選ぶと「Select a token」に遷移し、「PancakeSwapデフォルトホワイトリスト」が表示される点は同じです。新しく追加されたのはウィンドウ下部の「Manage Tokens」です。
こちらを選択すると
- Lists – リスト形式で複数トークンを一括管理する
- Tokens – トークン単位で個別に管理する
の2種類が選べます。

Listsによるトークン管理
複数の追加トークンの一括管理に便利です。
予め2種類のリストが登録されていますが、どちらもデフォルトでは「無効」になっています。
- Extended – PancakeSwapと過去にコラボした、もしくはこれまで取引高が大きかったトークンのリスト。旧エクスチェンジでいうところの「PancakeSwapデフォルトホワイトリスト」。
- Top 100 – PancakeSwapで取引高が大きなトークン1位~100位のリスト。
歯車アイコンから「See」リンクに飛ぶと一覧を見ることが出来ます。
Extendedリストはこちら。
Top100リストはこちら。
例えばCateコイン🐱はTop100リストに入っていますが、Extendedリストには入っていません。
PancakeSwapでIFOを開催したか、シロッププールコラボしたトークンしか触らない人はExtendedのみ有効にすれば良いですし、基本的にBSCの人気トークンのみ取引する人はTop100を有効にすれば十分だと思います。もちろん両方有効にするのもありです。
トークンリストのインポート※上級者向け
トークンのリスト管理画面にURLの入力欄が見えますね。ここにトークンリストのURLを記入することで、自分の利用したいトークンを一括で追加することができます。
〇メリット
- ExtendedにもTop100にも載っていないトークンをたくさん取り扱う場合、追加・管理を簡単に行える
- 自分がトレードしているトークンリストを他の人とさくっと共有できる
Twitterで@DefiDebaucheryさんがさっそく特定プロジェクトのトークンリストを作成して公開しています。こんな感じで「〇〇〇コミュニティ御用達トークンリスト」を作って他の人と簡単に共有することが出来ます。
One cool thing about @PancakeSwap‘s recent Exchange update is support for custom Token Lists.
Such lists allow native access to tokens without explicit whitelisting and without having to dig up the contract address (assuming you trust the source!).
So let me introduce 👇
— Uncle Deebo (@DefiDebauchery) June 3, 2021
✕デメリット
- 出所不明のリストをインポートした場合、偽トークンを買ってしまう可能性がある
例えばあなたがAHIRUトークンを購入したいとします。
TwitterでAHIRUトークン掲載リストのURLを見つけたので、あなたは内容をチェックせずにそのままリストをインポートしました。トークンシンボルもロゴ画像もAHIRUだったので信用して購入しましたが、実はトークンアドレスだけが差し替えられており、まったく別のトークンを購入していたのでした…ということが起こり得ます。
インポートするトークンリストは「出所が確かである」「管理方法が分かっている(誰かに改変される余地がない)」が明らかなもののみを利用しましょう。
Tokensによるトークン管理
こちらは旧エクスチェンジでの手動追加トークンと同じです。ただし以前であれば追加後はリスト全体から手動追加したトークンを探さなければいけなかったのに対し、今回の新エクスチェンジではManage画面のTokensタブから手動追加トークンだけを見ることができるようになっています。
変更点③エクスチェンジ設定項目の追加
旧エクスチェンジで設定できるのは「スリッページ」「トランザクションタイムアウトまでの時間」「Audioオン・オフ」のみでした。
新エクスチェンジでは上記3点に加え、「エキスパートモードの有効化」「Multihopsの無効化」の2点が追加されました。
エキスパートモードの有効化
このスイッチを動かすと、いきなり警告画面が出ます。
“Turn On Expert Mode”をクリックするとさらに警告が出ます。
ちなみにてきとうなことをタイプしても、入力した文字列がクリアされるだけです。特に文句もエラーも出ませんでした。
きちんと「confirm」を入力するとエキスパートモードが有効になります。
設定画面を閉じた後も設定アイコンにピンクの●が付くので「今エキスパートモードがONになっている」ということが分かります。
エキスパートとしてトレードするからには自分の行動に責任を持ちましょう。操作ミスで…、確認忘れで損失が…といった失敗はしないように!
その他、エキスパートモードでできること
先の注意事項のほかにもエキスパートモードでできることがあります。
「Add a send (optional)」です。
これを選択すると「Recipient(受取人)」を記入できるようになります。何かというと、トークンAからトークンBにスワップして、そのままバイナンスのトークンB受取ウォレットに送付する…ということがワンショットでできるようになります。便利ですね!
絶対に何があってもRecipientにトークン/コントラクトアドレスを入れないようにしましょう!!!コントラクトに送ってしまったらGOXです。取り返せません。
Multihopsの無効化
Multihopsとは、トークンA→トークンBをスワップする際に他のトークンを経由することです。トークンA-トークンBの流動性は低くてプライスインパクトが大きくなるけど、トークンA-トークンC、トークンC-トークンBの流動性は豊富にあるといった場合に適用されます。
実際にDOGEをBUSDにスワップしてみます。
左側がデフォルト(Multihops有効)で、右側がMultihopsを無効化した場合です。

デフォルト(Multihops有効) | Multihopsを無効 | |
スワップ経路 | DOGE→BNB→BUSD (2 Hops) |
DOGE→BUSD(非表示) (1 Hop…s) |
LP Fee (流動性提供手数料) |
5.183 DOGE | 2.594 DOGE |
プライスインパクト | 0.01 %未満 | 1.02 % |
最低受取りBUSD | 388.9 BUSD | 386 BUSD |
Multihopsを無効化するとLP手数料は少なくなりましたが、プライスインパクトが大きくなり最低受取りBUSDがMultihops有効時より少なくなってしまいました。BUSDが欲しいだけでしたらデフォルト設定でBNBを経由したほうが良いことが分かります。
ではどんな時にMultihops無効化が生きるのでしょう?
- 複数の流動性をはしごして流動性手数料をたくさん支払いたくない
- どうしてもそのペアでスワップしたい
(あなたがトークンA-トークンCの流動性を提供しており、手数料収入を見込んでいるなど)
が思いつきます。あとは急いでいるときでしょうか。通常時ならBSCでスワップ速度はあまり気になりませんが、最近はよく混雑しているので、複数回の流動性を経由する=その分遅くなる気がします(※未検証です)。
次にLiquidity画面に行ってみましょう。
変更点④LiquidityのLP探しが分かりやすくなった
旧エクスチェンジでは、LPトークンが見つからない場合は「Import it」から別画面に移動し、手動でペアを入力してLPトークンを見つけ、その後矢印から前画面に戻る操作が必要でした。
この「Import it」からLPトークンを探すこと、見つけたら矢印で「戻る」ことは特に初心者さんには分かりづらかったようで、テレグラムグループで何度も何度も質問がありました。

今回の新エクスチェンジではそのあたりのUI/UXが改善されました。
もし目当てのLPトークンが見つからない場合は「Find other LP tokens(他のLPトークンを見つける」)を選択します。大きく表示されているので見逃すことはないはず。
旧エクスチェンジと同様に手動でペアを入力してLPトークンを見つければ3枚目の画面に行くので、対象LPトークンを確認して「Manage this pool」を選べば1枚目の画面になります。ユーザーが直感的に分かりづらい「戻る」操作はありません。
Liquidityを新規に追加する場合は別タブの「+Add」を選べばOKです。ここの操作自体は以前と変わりませんが、前よりさくさく動くようになった気がします。
流動性についてはさらに今後「Simple Liquidity」なるものが追加されるとToDoリストで明かされています。こちらも大変素敵な機能なので、お楽しみに!

変更点➄新エクスチェンジとスマホのウォレットアプリは自動接続する
PancakeSwapではFarm/Poolとエクスチェンジは別ドメイン扱いであり、ウォレットはそれぞれ接続する必要があります。しかし、今回リリースされた新エクスチェンジから、モバイルデバイスのウォレットアプリ内DAppsからPancakeSwapにアクセスした場合に限りウォレットと自動接続されるようになりました。
デスクトップではまだ手動で接続する必要があります。
これまでと違う挙動であること、ウォレットとPancakeSwapの自動接続ということから、ユーザーよりセキュリティに関する懸念の声があがりました。
HopsシェフからRedditにて説明があったので、和訳したものを転記します。
We’ve seen a lot of concern from people about being automatically connected to #PancakeSwap through the @TrustWalletApp Dapp browser since yesterday’s exchange update. https://t.co/qnOYPrGr00
— PancakeSwap 🥞 #BSC (@PancakeSwap) June 4, 2021
昨日新エクスチェンジをリリースしました。それに伴い、#TrustWallet DAppブラウザと #PancakeSwap エクスチェンジが自動的に接続されるようになりました。
この点について多くの方から心配の声をいただいていますので、スレッドでご説明します。
この自動接続は意図したものです。手動で毎回ウォレットアプリとPancakeSwapを接続する手間を省きます。 ご指摘の通り、以前のエクスチェンジではウォレットとの自動接続は行われていませんでした。
現在もデスクトップサイトでは自動接続されません、これは私たちが意図した通りに機能していないためです。 ウォレットアプリで新エクスチェンジとウォレットを切断したい場は、ナビゲーションバーのウォレットボタンから実施してください。切断後、ページを更新しない限り自動接続されません。
この自動接続機能は、セキュリティ上の問題を誘発するものではありません。 誰かがあなたのデバイスを操作してウォレットアプリを開けば取引できてしまいますが、この場合は自動接続が問題なのではなく、誰かがあなたのデバイス・ウォレットアプリにアクセスできてしまうことが問題です。
ウォレットアプリをPancakeSwap 接続すると、PancakeSwapはあなたの残高を見ることができます。それだけです。 勝手にトークンを使うことはできません。あなたの要求(新トークン取引、新たにステークなど)と承認を得て、初めてPancakeSwapはトークンを使うことができます。
このため、ウォレットのセキュリティを強化すること、あなただけがウォレットアプリにアクセスできるようにすることが非常に重要です。 この機会に、パスコードの設定などセキュリティに関する情報を再確認してみてください。
最後に、シードフレーズ(秘密鍵)は絶対に誰にも教えないでください。
PancakeSwapシェフ、AdminやPancakeSwapウェブサイトがシードフレーズの入力を求めることは絶対にありません。
もし不明点がありましたらテレグラムにてお気軽にお問い合わせください。
TrustWallet 公式(@TrustWalletApp)からも本件に関する声明が出ています。
@PancakeSwap is one of the many trusted DApps that the Trust Wallet app will automatically connect to. Your funds are #SAFU.
What you should be aware of are Token Approvals on rouge DApps that are designed to steal your crypto.
Be informed! Read on:https://t.co/mpDHuLieSk https://t.co/1x60U8nkbo
— Trust – Crypto Wallet (@TrustWalletApp) June 4, 2021
「@PancakeSwap はTrust Walletアプリが自動接続する信頼できるDAppsの1つで、あなたの資金は #SAFUです。」
終わりに
冒頭のアイキャッチ画像でバレバレですが、新エクスチェンジはRabbitDogeシェフが担当しました。ご本人…犬はさらっとTwitterでdev関係の報告をしただけなので、私がここで(勝手に)声を大にして言っておきます。
Following the update we did on the exchange, the new SDK code is here : https://t.co/IP4Yg3gB2U
and the package is available here https://t.co/hRzUOKX4Ly— Chef Rabbit Doge (@chefrabbitdoge) June 3, 2021
シェフの紹介はこちら

もし新エクスチェンジでバグを見つけたり、改善提案がある方はテレグラム日本コミュニティでご報告いただけると助かります。よろしくお願い致します!
Happy PancakeSwap! 🥞🦆💕